月桂冠は、酒づくりに科学的技術を導入することを目的に、1909年（明治42年）研究所（現・月桂冠総合研究所）を設立しました。同年、びん詰工場を新設、樽詰酒全盛の時代にびん詰酒の販売に力を入れ始めました。 1911年（明治44年）には、防腐剤を使用しないびん詰酒を発売しました。1928年（昭和3年）には、研究成果をもとにして、品質保持のために茶褐色びんを採用しました。 1984年（昭和59年）業界で初めて常温で流通可能な「生酒」を発売、2008年（平成20年）には業界で初めて「糖質ゼロ」清酒を発売しました。今後もより良い品質の商品をお届けするため、「品質第一」をモットーに、つねに革新性・創造性をもってチャレンジを続けながら、お客様に世界最高品質の商品をお届けします。
防腐剤なし清酒の発売、冷房設備をもつ酒造蔵の建設、四季醸造体制の確立、醸造用糖類の廃止、融米造りの開発や海外生産の開始など、各時代の業界の重要課題に挑戦、これらの取り組みには「品質第一」の考え方が通底しています。
1899年（明治32年）
灘酒を研究するため、同地で借蔵醸造を開始。明治期には自社酒蔵を構え、灘での酒造りに取り組み始めた（2003年まで同地で操業）。
月桂冠は、1911年（明治44年）開催の第1回鑑評会で第1位を受賞。その後も優秀な成績をおさめ、1929年には1位から3位まで独占。近年では、平成3・平成4・平成8酒造年度で、月桂冠から出品した7蔵全てが金賞を受賞、平成15・平成19・平成24・平成26・平成28・平成29・平成30酒造年度で、出品4蔵全てが金賞受賞。
1984（昭和59年）
超精密ろ過機の応用により、業界で初めて常温流通が可能な「生酒」を発売。酒中の麹を由来とする酵素を、超精密ろ過により取り除くことで、酒質の変化を少なくし、しぼりたての鮮度感を保持。
四段仕込みは、大正時代に開発された醸造法。伏見の水質に合い、やわらかで豊かな味わいの酒ができるため、伏見の酒造家が積極的に活用。月桂冠でも1932年（昭和7年）から、四段仕込みを活用。この醸造法により、「つき」では、まろやかな味わいとすっきりとしたあと味、「上撰」では自然な香りとまろやかな旨みを醸し出している。
1909年（明治42年）
当時、業界で課題となっていた火落ち（酒の腐造）を防止するため、酒造りへの科学技術の導入を志し、清酒メーカーとして初の研究所となる「大倉酒造研究所」を設立。
現在、「総合研究所」として、酒造り全般にわたる基礎研究を行うとともに、幅広い技術開発や製品開発に挑戦している。
1861年（昭和36年）
日本で初めて、年間を通じた酒造りを行なう四季醸造システムを備えた酒蔵が完成。
四季醸造システムは、蒸米、麹づくり、モロミしぼりなどを機械化・自動化・連続化した装置と、微生物の科学的管理により、気候の変更に左右されず、日本と異なる環境でも酒造りを可能にした。
2008年（平成20年）9月
業界初となる「糖質ゼロ清酒」を発売。以来、糖質ゼロ醸造の新たなノウハウを蓄積し、地道な品質向上を継続するなど、年々、製法を進化させ味わいを高めている。その製法や技術は、数々の特許を取得。
月桂冠が開発した「融米造り」は、米のデンプンを酵素で液状化して仕込む醸造法。発酵当初からモロミの均一な撹拌が可能となり、成分値や温度をオンラインでリアルタイムに自動測定することで、正確な発酵管理を実現。熟練技術者の感性を基にした「ファジー・システム」も取り入れており、酵母の生育に合わせたゆるやかな制御により、高品質の酒造りに寄与している。
1909年（明治42年）
当時、酒の腐造防止のために用いられていた防腐剤（サリチル酸）を使用しないびん詰清酒を国内で初めて発売（業界での防腐剤全廃は1969年）。
月桂冠による酵母の研究と開発の成果が、酒の香りや酸味をコントロールし、目的とする美味しい酒質へと醸すことに貢献。吟醸酒のリンゴ様の香り「カプロン酸エチル高生産酵母」、バナナ様の香り「酢酸イソアミル高生産酵母」の育種法を開発、リンゴ酸高生産酵母を開発、大吟醸酒用の酵母育種技術を新開発などの技術が業界でも活用され、美味しさを高めている。
2014年9月に、アルコール分「0.00％」の「月桂冠フリー」を発売。日本酒の複雑で奥深い香味の再現に成功した。2015年9月、アルコール分「0.00％」・糖質「0g」・カロリー「0kcal」にリニューアル（以上2アイテムは終売）。2019年8月には「スペシャルフリー」を、アルコール分「0.00％」かつ糖質「0g」で、日本酒の中でも人気の高い大吟醸酒の香味をイメージしたアイテムとして発売した。